表題の通り、19年前の今日、2005年2月4日に当院は開業いたしました。
院長当時39歳、開業に伴うリスクなんて何も想像することもできない、無知で
ただ自信だけは十分に持ち合わせた勢いのあるだけの一医師でした。
銀行から資金を借りることも、役所へのあいさつや手続きも、建築会社さんや
顧問税理士さんの紹介も、とにかく何もかもすべてコンサルタントさん頼り。
本当に新たに起業するにもかかわらず、医者というのは世間知らずもいいところで
今だったらいろいろなことを考えすぎて開業なんてできなかったかもしれません。
開業してからも1年間くらいは赤字が続き、借り入れた資金が底をついてきて、
僕に心配かけまいと妻はそのことを僕には内緒にし続けながら支えてくれて。
そんな妻も開業当初から二人三脚でクリニックの業務を手伝ってくれていたのですが、
結婚後7年も子供を授からなかったのに、開業3カ月で妻の妊娠が発覚。
つわりに耐えながら臨月までクリニックの業務を手伝ってくれて、
出産後は子育てのために第一線の業務からは離れることが多くなり、
片翼飛行の体制に突入しました。
女性中心の職場ですので、中年のおっさんに人事のオペレーションが上手にこなせるわけも
なく、診療と経営と人事掌握と子育てと家庭のオペレーションと・・・
今思い出してもキャパオーバーでした。
その後、幸いなことに開業医としての経営は順調で、その分業務は雪だるま式に増え続け、
それらは片付かないまま次々とたまり続けています。
そんな中コロナを迎え、いろいろな意味で大転換を決断することを余儀なくされ、
ありがたいことに自社ビル建築という幸運にも恵まれ、
いま、自分のライフワークの集大成としてアンチエイジングというテーマで神の定めた摂理に
科学者の端くれとして精いっぱい反発しながら、毎晩終電まで雑務をこなし、来年還暦を
迎えようとしています。
自分自身の気持ちでは開業したころと比べて意欲の衰えは全くないのですが、先ほど娘の
習い事の同級生だったお嬢さん、当時は2歳だったのですが、外来にお見えになられて
大学合格のお祝いを述べさせていただきながら、ああ、ずいぶん年を取ったんだなあと
しみじみ実感しました。
そして、19年前の今日、前日の内覧会を終えた後、土足で汚れた床を妻と二人で開業の朝4時
まで手作業で掃除して、睡眠時間3時間で初日を迎え、14人の患者さんがいらっしゃったことを
こんなにもたくさんの患者さんが来てくれたとスタッフ一同で喜んだあの日を、やはり
昨日のことのように今でも鮮明に思い出します。
自分にとってはそれから今までのこのクリニックでの思い出はかけがえのない青春とも
呼べる日々でした。
他に何かやりようがあったのではないかと思う場面も多々ありましたが、今となってはそれも
良い思い出です。あと少し、今自分の目指す医療を完成させるため、もてる限りの知力と
体力と精神力で取り組んでいきたいと思っています。
どこまで皆様の健康増進に貢献できるかわかりませんが、これからも支えていただければ
本当にありがたいです。
忙しくて今日2月4日を振り返れずに今年は終わるかとも思っていましたが、このようなつたない
記録でも残すことができてほっとしています。
明日からまた、似たような診療の日々が続きますが、それでもちょっとずつは前進することを
期待しながら、頑張ってまいります。そしてこれを読んでくださっている皆様がすべからく
これからもずっと健やかに過ごすことができますよう、一医師としていつも願ってまいる
次第です。
院長
追伸
本日の祝いの晩餐は、くしくも同じ2月4日に開業20年目をお迎えになられた、経堂では
一番だと思っているラーメン屋さんで牡蠣塩ラーメンバター添えをぼっちでいただきました(笑)
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