成長ホルモンこぼれ話
成長ホルモンとは何でしょうか?
簡単に言うと「体のあらゆる細胞を再生させる」ホルモンです。具体的には
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筋肉の成長を促す
運動などで壊れた筋肉細胞を新しく再生します
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肌にハリを出す
紫外線などによって壊れた肌細胞を新しい肌細胞に再生します
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風邪をひきにくくなる
壊れた免疫細胞を新しい免疫細胞に再生し、免疫機能を高めます
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疲れがたまりにくくなる
壊れた内臓の細胞を新しく再生し、より健康になります
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太りにくくなる
脂肪を分解して体脂肪を減少させます
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髪の毛を増やす
毛母細胞の活性化や髪の成分のたんぱく質代謝の活性化で発毛・育毛を促します
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脳の働きを高める
成長ホルモン補充療法により認知機能の向上が認められたという報告があります
などです。
成長ホルモンと年齢
成長ホルモンは幼児期から思春期にかけて脳下垂体から盛んに分泌され、骨を伸ばし筋肉を発達させます。身長の伸びが止まった後も生涯、成長ホルモンの分泌は続きますが、分泌量は加齢とともに減少。 40歳代になると、最も分泌が多い思春期の半分程度に減り、60歳代になると20%くらいまで減少します。
成長ホルモンを多く分泌させるには?
とにかく睡眠が重要です。成長ホルモンは、寝ついてから初めの3時間(深く眠っている時間)の間に大量に分泌され、浅い眠りの時間が多い後半ではほとんど分泌されなくなります。つまり、眠り始めの3時間でいかに深く眠るかが大切な要素となります。
※22時~深夜2時がゴールデンタイムという考え方は、現在では科学的に否定されています。
具体的には
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頭・体の両方を使って脳と体の疲れのバランスをとる
頭だけ、または体だけが疲れても深く眠れないため、働いている人は仕事とプライベートで違うことをするのがおすすめです
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うたた寝や午後の長い昼寝でリズムを崩さない
午後どうしても眠い場合は15分程度(浅い眠りの間に起きられる時間内)で仮眠を。
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日中は太陽の光を浴び、夜間は照明を落とす
昼間は眠くなるホルモン「メラトニン」の分泌を抑えるためにできるだけ太陽の光を浴び、夜間は分泌量を増やすために明るい光を見ないようにしましょう。
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寝る前に体温を上げておく
体温が高い状態から低い状態への落差が大きいほど、眠気がおきやすくなります。日中や夕方に体を動かしたり夕食で温かいものや辛いものを食べたりするほか、寝る1時間前までに入浴を終えるとよいでしょう。
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ストレスをため込まない
ストレスを感じると目覚めを促すホルモン「コルチゾール」の分泌量が増えます。
成長ホルモンと睡眠の関係をもう少し詳しく!
成長ホルモンは年齢にかかわらず分泌されている物質で、体の成長を促すだけでなく、代謝の調節や免疫機能を維持するなどの働きがあります。成長ホルモンは、眠り始めの前半4分の1くらいの時間帯に起こる、深睡眠(しんすいみん=レム睡眠、詳しく言うと深睡眠ステージ3)という段階のときに多く分泌されます。
そのため、眠り始めの時間帯に深く眠れていないと成長ホルモンの分泌量が減る可能性があります。寝床に入る前にソファなどで寝落ちやうたた寝をしてしまうと、寝床に入ってからの睡眠が浅くなるおそれがあるので、できるだけ避けるようにしましょう。
しかし、その後にぐっすりと眠れているようであれば、深睡眠に入るタイミングが遅いだけかもしれませんので、あまり気にし過ぎないほうがよいでしょう。
快眠のための心得
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起床時間を一定にして朝日を浴びる
早寝早起きでなく、早起きが早寝に通じています。つまり、夜ふかしをして遅く就寝した場合でもなるべくいつも通りに起床すること、起床後は早々に朝日を浴びるようにしましょう。朝日を浴びることで体内時計がリセットされ、夜になるとメラトニンが多く分泌されるようになり、自然な眠気に誘われてスムーズに寝ることができます。
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昼間適度に運動をする
昼と夜の体温差が大きいほどよく眠ることができます。よって、日中に体を動かして体温を上げていれば、眠りの質も上がります。なるべく体を動かす習慣をつけましょう。
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昼寝をするなら午後3時前に20~30分
昼食後~午後3時までの間の昼寝は、夜間の睡眠に悪影響を与えずに日中の眠気を解消します。30分以上眠ると、身体も脳も眠る体制になってしまい逆効果です。
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夕食は寝る3~4時間前にすませる
満腹も空腹も熟睡の敵です。空腹の場合は交感神経が働いて目が冴え、満腹の場合は寝ている間も胃や腸が働き続けるため、深く眠ることが困難だからです。
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室内環境を整える
室内は、夏は25度、冬は15度前後が適温です。湿度は四季を通じて50%くらいが最適です。寝床周りを冬ならピンクやオレンジなどの暖色系、夏ならブルーや緑などの寒色系のパステルカラーで整えると心理的に眠りやすくなるようです。
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心身をリラックスさせる
交感神経に代わって副交感神経が優位になると、心身がリラックスして眠りにつきやすくなります。副交換神経を優位にするには、部屋を暗くする、ゆったりとした音楽を静かに流す、軽いストレッチなどで体のこりをほぐす、腹式呼吸をする、就寝の1時間前に入浴(40度以下のぬるめのお湯)を終える、鎮静効果や誘眠効果があるアロマ(ラベンダー、ベルガモット、カモミールなど)を利用する、などがお勧めです。就寝前にノンカフェインのハーブティ、ぬるめに暖めた牛乳を一杯飲むのもいいでしょう。牛乳には必須アミノ酸のトリプトファンが含まれていて、トリプトファンは睡眠ホルモンであるメラトニンの原料になります。就寝前のカフェイン摂取や喫煙は覚醒作用があるので避けましょう。同じく、就寝前にスマホやテレビを見るのは強い光でメラトニンの作用を妨げるので避けましょう。
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寝酒は厳禁
寝酒は、深い睡眠を妨げて夜中に目覚める原因となります。また、連用で慣れが生じやすく、急速に量が増え、精神的・身体的問題が起こりやすくなります。
睡眠中に分泌されるその他のホルモンとその働き
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メラトニン
免疫力、抗酸化作用、解毒作用を促す効果があります。睡眠時間を十分とる人が一般的に健康で老化が遅いのは、メラトニンが充分に働いていることと関係しているのです。ちなみにこのホルモンは睡眠ホルモンとも言われており、このホルモンが分泌されることで末梢血管が広がり体内の熱を外部に放出して体温を下げて私たちの眠りを促します。また、暗くなると分泌が促進され、明るくなると分泌が抑制され貯蓄されます。アメリカでは不眠症に対してメラトニンのサプリメントが売られているようですが、部屋を暗くして寝れば別にそんなものに頼らなくても自分の体から自然のメラトニンがたくさん出てくるものです。
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黄体形成ホルモン(LH)
男性では男性ホルモンを、女性では女性ホルモンの分泌を促します。より男らしく、より女らしくあり続けるためには睡眠が大切なのです。
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