ほたる

2年ぶりくらいの更新となりますね。
ご無沙汰してしまいました。
言い訳にしかなりませんが、記録に残る文章を、雑務に追われる状況で
いい加減な気持ちで作成する気にはとてもなれず、放置してしまいました。

6月に入り、今年はここ3年ほど、この時期に爆発的に流行していた手足口病がほとんど見られず
落ち着いた外来の日々が続いているので、重い腰をやっとあげてみました。

で、久々のテーマは「ほたる」。

西日本の田舎大学出身なので学生時代は住んでいたアパートの目の前が田圃一面で
ほたるなんて季節が来れば四六時中部屋の中まで飛んでくるほどありふれていました。

卒業して東京に戻ってきてからは当然ほたるなんて見る機会はなく
忙殺されているときなどは学生時代の思い出とともに懐かしく思い出したりもしていました。

先日、毎週1つの地域をフィーチャーする、有名な某民放番組で千葉の君津を特集しているのを拝見し
たくさんのほたるを見ることのできる場所があることを知りました。

「へえ、こんな近くで見れるのか。」

そう思ったら見たいという衝動が急激に沸いて
先週土曜日、娘と二人、早速君津へとドライブ。

やはり番組で紹介されていた、黒い温泉の出る温泉宿の日帰り入浴サービスを利用させていただき、
そのままその宿の運転するバスにのりこみ、大多喜町のとあるほたるの里まで案内していただきました。

バスを降りて15分くらい歩くと、町明りの全くない川沿いに
100匹前後のゲンジボタルが乱舞している姿を見て、
一緒にいらした温泉宿の宿泊客一同の歓声とため息が。
娘はといえば、橋の欄干にとまっていたほたるを掌に載せて大喜び。

娘が小学校に入ってからは、それまでの幼稚園の時のように、
クリニックの平日の定休日に休ませて一緒に行動するということが難しくなり、
かといって週末は開業以来診療を行ってきたので
今更学校の休みの日に合わせて週末を休診日にするわけにもいかず
気が付いたら仕事にかまけてブログだけではなく娘との交流も
この2年くらい満足に持たずにさぼって過ごしてきてしまったようです。
人見知りが強い子で、いつも母親がいないとぐずる子供でしたので
これではいけないと思い、彼女が3歳の時に母親をあえて同行させずに
父娘で沖縄に旅行に行ったことがありました。
僕の中ではとても楽しい思い出となっていたのですが、
先日娘にそのことを尋ねると、記憶がとぎれとぎれとなっていることに気づきました。
あと少しで本当に子ども子どもした娘との親子関係は卒業してしまうことを実感した途端
ものすごい焦りを覚え、これではいけないと思い
少なくとも週末の診療終了後にはできるだけ父親との思い出づくりを
してあげなければならないと強く誓いました。

母親をあえて同行しないでほたる狩りに行った理由です。

見学時間が終わり、バスへの帰り道、とても名残惜しそうにしながら
「来週も来る?」と無邪気に尋ねる姿がとてもかわいくて、
けれど「ママへのお土産も買わないとね。」と少しだけ大人びた発言に
はっとさせられたり。

「何歳になっても子供はかわいいのよ。」

何年か前、僕よりも年配の女性の患者さんにそういわれたのが
今も記憶に残っていますがまさしくその通り。
その年齢、その年齢でそれぞれの子育てのだいご味があることを
今回二人で行ったほたる狩りを通してあらためて実感しました。

「来週はほたるの盛りが過ぎてるかも。また来年来ようね。」

私のその言葉に少し納得できない感を出していましたが、
帰路に着くころには「来週末はどんなサプライズがあるの?」
とすでに次のイベントへの期待感満載。

自由時間を妻がどう利用しているのかが気になりつつも
今週末の外来終了時刻の予想を立てながら
娘とどんなふうに過ごそうか、
患者さんのお父さんにでもご意見伺ってみようかな。

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