わが国でもここ2、3年で接種可能な小児予防接種の種類が急に増えていて、しばしば
問い合わせがありますので、一度私見を交えて世田谷区の現時点での1歳までの
小児予防接種のスケジュールに関してお知らせしたいと思います。
<種類>
① 生後6週から接種可能
・ロタウィウスワクチン;生ワクチン。4週間間隔で計2回接種。
② 生後2か月から接種可能
・ヒブワクチン;不活化ワクチン。4~8週間間隔で計3回接種。(1年後くらいに1回追加接種あり。)
・肺炎球菌ワクチン;不活化ワクチン。4週間以上の間隔で計3回接種。(1歳以降に1回追加接種あり。)
※ 第1回接種が生後6か月を過ぎた場合は両ワクチンとも若干上記のスケジュールと異なります。
③ 生後3か月から接種可能
・三種混合(DPT)ワクチン;不活化ワクチン。3~8週間間隔で計3回接種。
(1年後くらいに1回追加接種あり。)
・BCG;生ワクチン。3・4か月健診で計1回集団接種。
④ 生後6か月から
・ポリオワクチン;生ワクチン。毎年4月及び10月に計2回集団接種。
<状況>
① ロタウィルスワクチンに関して
・生ワクチンであるため、生後第6週から計2回接種すると生後3か月過ぎまでほかの予防接種が
接種できない、かつ、3・4か月健診で生ワクチンであるBCGを集団接種するとさらに4週間ほかの
予防接種が接種できないので 予防接種スケジュールに遅れをきたす。
・同じ嘔吐・下痢症をきたすノロウィルス感染症を予防できない。
・自費でかつ費用が高い。
といった理由から、当院では、生後半年未満で保育園に入園するなどロタウィルスに感染する
機会が高いと考えられる場合以外、他のワクチン接種を優先するようにしています。
②・③ ヒブ・肺炎球菌・三種混合ワクチンに関して
基本的にはこの3種類のワクチンは同日に接種することが可能です。ただし、
・ヒブ及び肺炎球菌は生後2か月から、三種混合ワクチンは生後3か月から接種可能となるので、
全てを同日に接種するには、ヒブ及び肺炎球菌ワクチンの接種を生後3か月まで待つことになる。
・(あくまで経験則ですが)肺炎球菌ワクチン接種後に発熱するお子さんが他の2種のワクチンに
比べて幾分多い。
という理由で、当院では、お互い1週間以上の間隔をあけて全て1種類ずつ接種するか、
ヒブワクチンと三種混合ワクチンを同時に接種し、その1週間前または後に肺炎球菌ワクチンを
接種する、という方法をとっています。
※ 1種類ずつ接種するか、ヒブと三種混合ワクチンを同日接種するかに関してですが、1種類
ずつ接種するとお子さんの体の負担は軽く済みます、一方同時に接種すると スケジュールは
スムースに運びます、と説明し、個々の親御さんに方法を選択していただいております。
いずれの方法でも3・4か月健診でのBCGの集団接種までにこれら3種類全ての ワクチン接種が
2回終わっているように綿密にスケジュールを立てます。
④ ポリオワクチンに関して
9月から、マスコミでその副作用が報告されてきた現行の生ワクチンではなく、不活化ワクチンの
定期接種化(公費)が決定しています。これに伴い、三種混合ワクチンとの混合ワクチンである
四種混合 ワクチンでの接種となりますので集団接種から個々の医療機関での個別接種と
なります。
※ 四種混合ワクチン接種の制度が確立するまでの移行期には不活化ポリオワクチン単品での
接種となります。
ご不明な点はどうぞご遠慮なくお問い合わせください。
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