小学生の頃
週間漫画で連載されていた
「はだしのゲン」という作品を毎週見ていたせいもあり
原爆にかかわりの深い広島という土地に
小さい頃から興味がありました。
高校生のとき
井伏鱒二さんの「黒い雨」を読み
広島を訪れてみたいと漠然と思うようになりました。
初めて広島市の原爆ドームを間近に見たのは
山口大学入学翌年の昭和61年の夏休み。
今年の夏同様、
その日も大変暑かったことを覚えています。
「ただでさえこんな暑い日に原爆の超高温に曝されたのか・・・」
暑さで頭がボーっとし思考力が衰えながらも
すでに完全復興を終え
近代化された街並みの景観の中で
原爆ドームだけが全くの異質な印象を呈し
周囲から浮いているなあと
ぼんやり考えました。
昭和20年8月6日から
その空間だけが切り取られて
あたかも時間が止まったままであるように。
ただ、
原爆ドームも長年風雨に曝されて劣化が進み
その保存が問題になっているとか。
あの象徴的な建物さえも
永久的な存在とはなりえないんだなあ。
僕の知りうる限りでは、
本日の平和記念式典のライブ放送は
NHK1社のみ。
人類共通のディスカッションテーマになってもおかしくない
原爆投下という事実が
被災国である日本においてさえ
時間が経ってしまえば
人々の心から消え去っていくということなのか。
今日と同じくあの暑い中
かつて経験したことの無いような灼熱地獄の中で
何の抵抗するすべも持たずに
絶命された方々の無念を偲び
また、そういった愚かさを繰り返す
人間への戒めの象徴として
いつまでも原爆ドームが保存されることを
心から祈りながら
黙祷。
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