下痢

表題としてはどうなんでしょうか?
「下痢」・・・

先日、某民放の番組で食中毒の特集をやっていたので、
もうちょっとfocusを狭めて「下痢」に関する私見を。

内科・小児科いずれの領域でも
最も多く目にする急性期疾患症状の一つです。

殆どの患者さんは、下痢を止めて欲しいと希望され来院されます。

ですが、
下痢は基本的には止めてはいけません。
というのも下痢という症状は、消化管内に入り込んだ
病原体などの侵襲性異物を対外に排斥するための
生理的防御反応だからです。

ですから、人為的に下痢を止めると、
対外に排斥すべき異物が体内に残るため
発熱や下血、嘔吐といった二次的反応を起こします。

治療法は水分をゆっくり経口的に摂取し、
消化管内の異物をどんどん下痢として排斥することが基本となります。

水分ですが、
冷たすぎると胃に負担がかかります。
また、乳製品や果汁は下痢を極端に増長させ
脱水を引き起こす可能性があります。
よくポカリスエットなどのイオン水が良いといいますが、
こればかりだと甘すぎて飽きやすいので
ミネラルウォーターや麦茶を適時織り交ぜるといいと思います。

食事はうどんやごはんといった炭水化物のみとします。
おかず、特に食物繊維と呼ばれる野菜・きのこ・海藻・果物は
やはり下痢を増長し脱水を引き起こす可能性があります。

その上で、医療機関を受診し、
必要に応じて整腸剤や抗生物質の投与を受けます。
ただし、素人判断で過去に処方された抗生物質を服用すると、
病原性大腸菌感染症だった場合、
重篤な副作用をきたすことがあるのでご注意を。

また、脱水症で輸液(点滴)を希望される方がいらっしゃいますが、
(ここからはちょっと専門的な話になります)
血管内脱水の改善で経口的水分摂取量が逆に減少し、
結果的に症状を悪化させることが懸念されるので、
高齢者や乳幼児の方で高度の脱水症を呈し、
命に危険があると判断される場合以外は
輸液せず、経口的な水分摂取をご指導するようにしています。

いずれにしても手洗い・うがいや身の回りの消毒の励行と、
暴飲・暴食を控えるというのが最も良い予防法です。
なかなか難しいのですが。
特に後者は僕にとっては非常に難しいです。