解熱鎮痛剤と妊娠・授乳中の内服薬

流行ってきました。
3大夏風邪ともいえる手足口病・ヘルパンギーナ・プール熱。
病気そのものの詳細は一般の方でもネットで簡単に検索できるので
今回はその治療にまつわる現場でのこぼれ話を。

結論を言えばウィルス感染症ですので抗生物質は効果がありません。
ワクチン開発が期待されるところですが、プール熱は別にして
手足口病とヘルパンギーナはその原因ウィルスが多種類に及ぶため
予防接種ではあまり実効的なことは見込めそうにもありません。

ということで、特効薬は無く対症療法のみとなります。

ここでその対症療法として多く処方されるのが解熱鎮痛剤となるわけですが、
その使用方法に一つアドバイス。

なんとなく頻用してはいけないとはわかっていながら
熱があるとついつい使ってしまうのがこの解熱鎮痛剤。
ところで、そもそも夏風邪を含めて
感染症のときになぜ発熱するかご存知ですか?

簡単に言えば、ひとの体の中に病原体が入ったとき、
これを攻撃する物質(サイトカインと言います)が白血球から放出されます。
このサイトカインはひとの平熱(36.5℃)よりも高い温度でより活性化されます。
つまり感染症のときは体温を上げることでサイトカインによる攻撃性を上げているわけです。
ですから、むやみに薬物で体温を下げることは
感染症に対する抵抗力を下げて病気を長引かせることになります。
そればかりか、解熱鎮痛剤剤は腎臓等の内臓に少なからず負担をかけます。

こういった理由でいたずらに解熱させないように、と言う病院での指導になるわけです。

ただし、特に小さなお子さんの場合体力があまりないため
長時間の発熱は思った以上に体力を消耗します。

以上の点を考慮し、どんなに高い発熱があっても
解熱鎮痛剤は基本的には使用しないように、
体力の消耗が激しくてぐったりしたときにだけ使用してください、と
外来ではご説明しています。
但し、熱がなくても頭痛や咽頭痛、関節痛と言った痛みに対しては
我慢せずにすぐに使用してくださいと指導しています。
(「解熱剤」としては出来るだけ使用を控えて、「鎮痛剤」としては
割りとそのハードルを下げて使用してかまわない、と言うことです。)

お薬の話に関連して、これとは別の話になるのですが、時々外来で耳にするのが
風邪をひいたけど妊娠/授乳中なので薬を飲まずに我慢していたというもの。

ただでさえ妊娠や授乳は大変なのにこれでは可愛そうです。
どんなお薬も大丈夫と言うわけではありませんが
妊婦さんや授乳婦さんでも内服できるお薬はたくさんあります。
ご相談下さい。