最近の予防接種の動向に関して

たまには医療ネタで。

先日のブログでも書いた通り、4月下旬から外来が落ち着き始めましたが
例年ですと2~3週間もすれば鼻風邪を引いた小さいお子さんが
鼻吸引のためご来院され外来がバタついてくるのですが
今年に関してはその後ずっと今までのところ落ち着いています。
特に小さなお子さんの鼻風邪が圧倒的に例年に比べ少ない印象があります。

さて、どうしたんだろう。

で、思いついたのがヒブ及び肺炎球菌の2種類のワクチン。
そう、小児細菌性髄膜炎を予防するワクチンです。
この病気はわかり易く言うと鼻風邪をきっかけに
ヒブ及び肺炎球菌という細菌が鼻の奥から頭蓋内の髄膜に達し
感染性の炎症を引き起こすもので死亡例もある重篤な疾患。

昨年から両ワクチンとも公費助成対象となり
生後2か月から接種されるお子さんが格段に増えた印象があります。
一方で鼻吸引目的にに来院されるお子さんが減少したことを併せて考えると
小さいお子さんの鼻風邪の原因のうち
両細菌の占める割合が少なくなかった、ということ、
そして両ワクチンの爆発的な普及で鼻風邪が減った、ということが
ともすると仮説として推測されます。

小さいお子さんの鼻風邪の原因は大部分がウィルスであり、
また、両ワクチンは単に髄膜炎そのものだけを予防するものである、と今まで考えておりました。

いずれにしても、もしこの仮説が正しいのであれば
お子さん方にとっては大変な朗報ですし
医療費削減という意味からは
行政にとっても大変喜ばしいことです。
さらに、僕たち医療現場の人間からも
ワクチンに関する極端にネガティブな偏見を払拭するのに良い材料です。

不活化ポリオワクチンの今年9月からの定期接種化が決定し、
またヒブ・肺炎球菌及びHPV(子宮頸がん)ワクチンの定期接種化に向けて
政府が法案を審議しているとのニュースを聞き
とても良い方向に向かっているなと思う反面、
遅きに失した感があり忸怩たる思いです。

ちなみに、別件ですがロタウィルスワクチンに関しては、
①生ワクチンを計2回接種するのでそのためのインターバルに割く時間が
 多すぎて他のワクチン接種スケジュールに及ぼす影響が大きい。
②ノロウィルス感染症は予防しない。
③費用が高い上に自費接種。
という理由で当院では積極的に接種を勧めていません。
(発売元の第一三共さん、ごめんなさい。)
せめて他の不活化ワクチンとの混合ワクチン製剤になれば
スケジュールが簡素化されて積極的に接種する土俵に上げられるのですが。

ということで、外来は比較的穏やかですので
院内感染を心配されてご来院を躊躇されている方は
過度の心配をなさらずにご来院ください。

最後は勧誘の発言になってしまった。
クリニックという立場上、法的には大丈夫かなあ・・・。