放射線

今回の大地震の後
次々と沸いて出るいろいろな問題に対する
各マスコミ報道を出来る限りチェックしていましたが
東京都内で3月15日に確認された放射線量に対する
報道内容があまりにひどいので
医師としての薀蓄を少しばかり。

放射線は食べ物や大地からも放出されており
世界平均では一人当たり年間2.4ミリシーベルトの
放射線を自然に浴びています。
東京~ニューヨークを一往復すると
宇宙放射線を0.2ミリシーベルト浴びます。
胸部エックス線検査を1回受けると
0.05ミリシーベルトの放射線被爆があります。
これら自然や医療行為によるものを除き
一人当たりの放射線年間被爆量の上限は
1ミリシーベルトまでと定められています。

ちなみに我々医師は
特に放射線科の医師は
この何十倍の放射線被爆を職場で毎年強いられています。

さて、
今回の福島第一原発の一連の事故に関してです。

3月15日に東京で観測された放射線量は
発表されている事実が正しければ
1時間当たり0.000809シーベルトとのこと。
100時間被爆しても
健診での胸部エックス線撮影での被爆量2回分にもなりません。

また、第一原発3号機周辺での放射線量が
最大で1時間当たり400ミリシーベルトになったとか。
放射線発生源から1km離れる毎に
放射線量は100万分の1に減少するとのことなので
東京までの直線距離を仮に100kmとすると
400ミリシーベルト÷(100万の100乗)
=400÷1億(100,000,000)
=0.0000004ミリシーベルト
となります。
この理論でいきますと
第一原発で放出される放射線が
本日の10万倍になったと仮定し
この状態で東京の屋外に1時間いたとしても
胸部エックス線撮影1回分の被爆量にもなりません!

まあ、風向き等の影響で理論どおりには行かないと思いますが。

本日、外来で
しばらく東京を離れると言う話を
何人かの患者さんから伺いました。
こういったあまり意味の無いことをさせてしまうマスコミ報道、
たとえばミリシーベルトとマイクロシーベルトの二つの単位を
同じ土壌で同時に論じて受け手側を混乱させたり、
通常の何十倍の放射線量が検出された、といった言い方で
何十倍増えても健康被害という点からは全く問題ないことを
さも影響があるかのごとく報じたり。

うんざりです!!!

「事実を報道する」ということと、
「勘違いを引き起こす恐れのある内容を
何の解説もつけずにそのまま報道する」ことは
全く異なるものです。

少し横道にそれてしまいました。

ということで、
明日からも屋外を堂々と歩くようにと
妻に伝えました。

ただし、花粉対策は念入りに必要ですが。