雨男その2

続きです。

ひとしきり涼んだあとは
ぶどう園の職員さんお勧めの温泉施設へ。
広間でたまたまやっていた大衆演劇を
家族全員で大笑いしながら見物し
すっかりその面白さにファンになってしましました。

終了後
座長さんにサインをもらいながら
「かわいいね」と褒められてまんざらでもなさそうな娘の様子。

「明日もまた来ようね」
無邪気にせがんでくるのを苦笑しながら
「楽しんでくれたんだなあ」と面目躍如の父。
雨の中、道を間違えてまで早起きしてやって来た甲斐があったというものです。

さあ、少しはプライベートを楽しもうと妻に娘を任せ
男のくせに一人で2時間半の長湯としゃれ込みました。

薬湯の露天風呂にテレビがあり
浸かりながら見ていると
ニュースの緊急速報で
東京23区内で1時間67ミリの記録的豪雨との報道。
各地で道路が寸断され交通機関への影響も出ているとか。

あらら、
こちらはもうほとんど降っていないのに。

考えてみたら、妻と娘は
雨男でなくても羨むくらいの晴れ女たちだったっけ!
娘のためをと思い
家族サービスのつもりで来たぶどう狩りでしたが
雨上がりの涼風や
ぶどう棚の美しい景色や
秋ばんできた山里の景観や
愉快な大衆演劇や
久しぶりにゆっくり浸かった温泉やらで
猛暑・不眠・激務で疲れ切っていたこのじい様を
逆に慰労してくれていたのかなあと
2回サウナに入りボーっとした頭で
なんとなくありがたく思っていました。

夕食時には
既に娘の疲れはピークに達していたようで
名物の馬刺しを適当に頬張ると
「ねむいよー」と半べそをかきだす始末。
車に乗せ東京への帰路につき始めると
まもなくいい塩梅に夢見心地の世界へ。

「ありがとう。楽しかったよ。
パパだってできれば明日もあさっても
毎日だってまた一緒に来たい位さ。」

そう心の中で感謝しながら
車を走らせる中央道は
雨男の名に恥じることなく
再びの本格的な土砂降りで
ほのぼのとしたそれまでの気持ちはどこへ行ったやら
事故らないよう緊張しながら走行する
どっと疲れの押し寄せるドライビングでした。